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臭い玉(膿栓)の原因とは?歯科で取れる?口臭対策と予防法を徹底解説

  1. 2025-12-19
  2. カテゴリー: その他

口を大きく開けて鏡を見たとき、喉の奥に白っぽい塊が見えたことはありませんか。くしゃみやせきをした拍子にポロッと出てきて、潰すと強烈な悪臭を放つその正体は「臭い玉(膿栓)」と呼ばれるものです。

臭い玉は口臭の原因になることがあり、気になっている方も多いのではないでしょうか。本記事では、臭い玉ができる原因から、歯科での対応可否、自分でできる取り方や予防法までくわしく解説します。喉の奥からくる口臭にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

臭い玉(膿栓)とは何か


臭い玉とは、喉の奥にある「扁桃腺」の表面にあるくぼみ(陰窩・いんか)にたまった白っぽい塊のことを指します。正式名称は「膿栓(のうせん)」といい、大きさは数ミリ程度で、麦粒のような形状をしていることが多いです。

臭い玉の成分と特徴

臭い玉は主に以下の成分で構成されています。

・細菌やウイルスの死骸
・白血球の残骸
・食べかす
・剥がれ落ちた粘膜細胞

扁桃腺は体の免疫機能を担う重要な器官であり、口や鼻から侵入してくる細菌やウイルスと日々戦っています。その戦いの結果として残る死骸や老廃物が、扁桃腺のくぼみに蓄積されたものが臭い玉の正体です。

触ると独特のぬめりがあり、つぶすとチーズが腐ったような強烈な悪臭を放ちます。この臭いの原因は、細菌が産生する揮発性硫黄化合物(VSC)によるものです。

臭い玉は病気なのか

臭い玉ができること自体は病気ではありません。扁桃腺を持つ人なら誰にでも起こりうる生理現象の一種です。ただ、頻繁に大量の臭い玉ができる場合や喉の痛みや発熱を伴う場合は、慢性扁桃炎などの疾患が隠れている可能性も考えられます。

臭い玉ができる原因

臭い玉はなぜできるのでしょうか。その主な原因をくわしく見ていきましょう。

口腔内の細菌増殖

口の中には常在菌として数百種類以上の細菌が生息しており、1滴の唾液の中に約1億個もの細菌がいるとされています。口腔内の環境が悪化すると細菌が増殖し、扁桃腺への細菌侵入も増加します。その結果、臭い玉が形成されやすくなります。

歯磨きが不十分だったり、歯周病や虫歯を放置していたりすると、口腔内の細菌バランスが崩れて臭い玉ができやすい環境になるでしょう。

唾液分泌量の低下

唾液には口腔内を洗浄し、細菌の繁殖を抑える働きがあります。加齢やストレス、服用している薬の副作用などで唾液の分泌量が減少すると口の中が乾燥して細菌が増殖しやすい状態になり、臭い玉ができやすくなります。

口呼吸の習慣

鼻ではなく口で呼吸する習慣があると、口腔内や喉が乾燥しやすくなります。乾燥した環境は細菌が繁殖しやすく、扁桃腺にも悪影響を与えるため、臭い玉の形成を促進する要因となるのです。

睡眠時に口を開けて寝る癖がある方や、鼻炎などで鼻呼吸が困難な方は特に注意が必要でしょう。

扁桃炎を繰り返している

扁桃炎を繰り返し発症している方は、扁桃腺の陰窩(くぼみ)が深くなっていることがあります。くぼみが深いほど細菌や老廃物がたまりやすく、臭い玉ができやすい構造になっています。

鼻炎やアレルギー症状

鼻炎やアレルギー性鼻炎があると、鼻水が喉に流れ落ちる「後鼻漏」が起こりやすくなります。後鼻漏によって喉に細菌が増殖しやすい環境ができ、臭い玉の原因となることも少なくありません。

風邪や体調不良

風邪をひいたときや体調が優れないときは、免疫力が低下して扁桃腺での細菌との戦いが激しくなります。その結果、臭い玉が通常よりも多くできることがあります。


臭い玉がある人とない人の違い

臭い玉ができやすい人とできにくい人には、いくつかの違いがあります。

臭い玉ができやすい人の特徴

臭い玉が頻繁にできる方には、以下のような傾向が見られます。

口腔内の衛生状態が悪い方
歯磨きの習慣が不十分だったり、歯科健診を受けていなかったりすると、口腔内の細菌が増殖。臭い玉ができやすい環境が整ってしまいます。

口呼吸が習慣化している方
日常的に口で呼吸していると、口腔内が乾燥して細菌が繁殖しやすくなります。特に就寝時の口呼吸は要注意です。

唾液の分泌が少ない方
ストレスや加齢、薬の副作用などで唾液量が減っている方は、口の中の自浄作用が低下して臭い玉ができやすい傾向にあります。

扁桃腺が大きい方
扁桃腺が大きいと陰窩(くぼみ)も多くなり、老廃物がたまりやすい構造になっています。

鼻炎持ちの方
慢性的な鼻炎がある方は、後鼻漏によって喉の環境が悪化しやすく、臭い玉の発生リスクが高まります。

臭い玉ができにくい人の特徴

一方で、臭い玉ができにくい方には以下の特徴が見られます。

・口腔内のケアを日常的にしっかり行っている
・鼻呼吸が習慣化している
・唾液の分泌量が十分にある
・定期的に歯科健診を受けている
・水分補給をこまめに行っている

臭い玉と口臭の関係

臭い玉は口臭の大きな原因の一つとして知られています。臭い玉に含まれる細菌が産生する揮発性硫黄化合物は、卵が腐ったような強烈な臭いを発します。

喉の奥からくる口臭の特徴

一般的な口臭は歯磨きやマウスウォッシュで軽減できますが、臭い玉が原因の口臭は喉の奥から発生するため、通常のオーラルケアだけでは解消しにくい特徴があります。

「歯磨きをしっかりしているのに口臭が気になる」「喉の奥から嫌な臭いがする」といった症状がある場合は、臭い玉が原因かもしれません。

臭い玉以外の口臭の原因

口臭の原因は臭い玉だけではありません。以下のような要因も口臭を引き起こします。

舌苔(ぜったい) 
舌の表面に付着した白っぽい苔状の汚れで、細菌や食べかすが蓄積したものです。口臭の原因として最も多いとされています。

歯周病
歯周病菌が産生する毒素やガスは、独特の腐敗臭を発生させます。進行した歯周病は強い口臭の原因となります。

虫歯
虫歯が進行して歯の神経が壊死すると、腐敗臭を放つことがあります。

ドライマウス
口腔内が乾燥すると、唾液による自浄作用が低下して細菌が増殖。口臭の原因となります。

臭い玉は歯科で取れるのか

口臭に悩んで歯科医院を受診する方も多いですが、臭い玉を歯科で取ることはできるのでしょうか。

歯科での対応について

結論からいうと、臭い玉(膿栓)の除去は歯科の専門領域ではありません。臭い玉ができるのは喉の奥にある扁桃腺であり、口腔内を専門とする歯科医師の診療範囲外となります。

ただし、歯科医院では口臭の原因診断を行い、臭い玉以外の口腔内の問題(歯周病、虫歯、舌苔など)を治療することで口臭を改善できる場合があります。口臭が気になる方は、まず歯科で口腔内の状態をチェックしてもらうとよいでしょう。

臭い玉の除去は耳鼻咽喉科へ

臭い玉を医療機関で除去してもらいたい場合は、耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。耳鼻咽喉科では、専用の器具を使って扁桃腺の洗浄や臭い玉の吸引除去を行ってもらえます。

ただし、臭い玉の除去は保険適用外となる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

臭い玉の取り方

臭い玉を自分で取りたいと考える方もいらっしゃるでしょう。ここでは、自宅でできる臭い玉の取り方と注意点を解説します。

うがいで取る方法

最も安全で手軽な方法は、うがいによって臭い玉を洗い流すことです。

  1. 水やぬるま湯を口に含む
  2. 上を向いて「ガラガラ」と喉の奥までうがいをする
  3. 15秒ほど続けてから吐き出す
  4. これを2〜3回繰り返す

うがい薬を使用するとより効果的ですが、刺激の強いものは喉を傷める可能性があるため、低刺激のものを選びましょう。

鼻うがいを活用する

鼻うがい(鼻洗浄)も臭い玉対策に効果的です。鼻の奥から喉にかけて洗浄することで、後鼻漏による細菌の蓄積を防ぎ、臭い玉の形成を抑制できます。

市販の鼻うがい専用器具と生理食塩水を使用すると、安全に行えます。

自分で取る際の注意点

綿棒やピンセットなどで臭い玉を直接取ろうとする方もいますが、これは推奨できません。

扁桃腺を傷つけるリスク
扁桃腺の粘膜は非常にデリケートで、器具で触れると簡単に傷がつきます。傷ついた部分から細菌が侵入し、炎症や感染を引き起こす危険性があります。

出血の可能性
扁桃腺には細かい血管が多く通っているため、無理に臭い玉を取ろうとすると出血することがあります。

無理に取ろうとして臭い玉を奥に押し込んでしまったり、扁桃腺の陰窩を傷つけて臭い玉ができやすい状態にしてしまったり、悪化する場合もあります。

どうしても気になる場合は、耳鼻咽喉科を受診して専門医に相談することをおすすめします。

臭い玉を作らないための予防法

臭い玉の発生を防ぐためには、日常生活での予防が重要です。以下の方法を実践して、臭い玉ができにくい環境を整えましょう。

こまめな水分補給

口腔内の乾燥は臭い玉の大敵です。日中はこまめに水分を補給して、口の中を潤った状態に保ちましょう。

1日に1.5〜2リットル程度の水分摂取を目安に、少量ずつ頻繁に飲むのがポイントです。カフェインを含む飲み物は利尿作用があるため、水やお茶を中心に摂取するとよいでしょう。

うがいの習慣化

起床後と毎食後にうがいをする習慣をつけましょう。特に喉の奥まで「ガラガラうがい」をすることで、扁桃腺に付着した細菌や食べかすを洗い流せます。

就寝前のうがいも効果的です。寝ている間は唾液の分泌が減少するため、口腔内の細菌が増殖しやすくなります。就寝前にしっかりうがいをしておくことで、夜間の細菌増殖を抑制できるでしょう。

鼻呼吸を心がける

口呼吸を改善し、鼻呼吸を意識することが大切です。

日中は意識的に口を閉じて鼻で呼吸するよう心がけましょう。就寝時に口が開いてしまう方は、市販の口閉じテープを使用したり、横向きで寝たりする工夫が有効です。

鼻づまりがある方は、耳鼻咽喉科で適切な治療を受けることで鼻呼吸がしやすくなります。

唾液の分泌を促す

唾液は天然の洗浄剤として口腔内を清潔に保つ役割を果たします。唾液の分泌を促すために、以下のことを意識しましょう。

よく噛んで食べる
食事の際は一口30回を目安にしっかり噛むことで、唾液腺が刺激されて唾液の分泌が促進されます。

唾液腺マッサージ
耳の下や顎の下にある唾液腺を優しくマッサージすると、唾液の分泌が促されます。

酸味のある食品を摂る
レモンや梅干しなど酸味のある食品は、唾液の分泌を刺激します。

口腔内を清潔に保つ

毎日の丁寧な歯磨きはもちろん、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して歯と歯の間の汚れも除去しましょう。舌ブラシで舌苔を取り除くことも口腔内の細菌減少に効果的です。

また、3〜6か月に1回は歯科医院で定期健診を受け、プロによるクリーニングを受けることをおすすめします。歯周病や虫歯の早期発見・治療にもつながります。

生活習慣の見直し

睡眠不足やストレス、偏った食生活は免疫力の低下を招き、臭い玉ができやすい体質につながります。規則正しい生活を心がけ、バランスのよい食事を摂ることが予防の基本となります。

また、喫煙は口腔内の乾燥を促進し、細菌の増殖を助長するため、禁煙を検討することも有効な対策の一つです。

臭い玉に関するよくある質問

臭い玉について、よく寄せられる質問にお答えします。

臭い玉は自然に取れることはありますか?

せきやくしゃみ、あくびなどの際に、扁桃腺から自然に排出されることは珍しくありません。食事中に飲み込んでしまっていることもあるため、気づかないうちに排出されているケースも多いでしょう。

臭い玉を取っても口臭が改善しない場合は?

臭い玉を除去しても口臭が気になる場合は、他の原因が考えられます。歯周病、虫歯、舌苔、ドライマウス、胃腸の問題など、口臭の原因は多岐にわたります。

まずは歯科医院を受診して口腔内の状態をチェックしてもらい、必要に応じて内科や耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

臭い玉を完全になくすことはできますか?

扁桃腺がある限り、臭い玉が完全にできなくなることはありません。ただし、前述の予防法を実践することで、臭い玉ができる頻度を大幅に減らすことは可能です。

頻繁に臭い玉ができて日常生活に支障をきたす場合は、扁桃腺の摘出手術を検討することもあります。手術については耳鼻咽喉科医と十分に相談してから判断しましょう。

まとめ

臭い玉(膿栓)は、扁桃腺のくぼみに細菌の死骸や食べかすがたまってできる白い塊で、強い口臭の原因となることがあります。誰にでもできる可能性があるものですが、口腔内の衛生状態や生活習慣によってできやすさが変わります。

臭い玉の除去は歯科ではなく耳鼻咽喉科の専門領域ですが、口臭の原因は臭い玉だけではないため、まずは歯科で口腔内の状態をチェックしてもらうことをおすすめします。自分で無理に取ろうとすると扁桃腺を傷つけてしまう恐れがあるため、うがいで対応するか、気になる場合は専門医を受診しましょう。

日常的な予防として、こまめな水分補給、うがいの習慣化、鼻呼吸の意識、口腔内の清潔維持が効果的です。規則正しい生活習慣を心がけ、定期的な歯科健診を受けることで、臭い玉の発生を抑え、健康的な口腔環境を維持していきましょう。

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