
症例紹介は“すごい結果”を並べることが目的ではありません。
悩みから選択、治療の過程、そして治療後の日常に至るまでのプロセスを共有し、インプラント治療を検討されている方が“自分事”としてイメージできるようにするためのものです。
ここでは、匿名化した代表的なケースを取り上げ、どのような判断が、どんな結果につながったのかを院長が振り返ります。
事故で前歯を失い、見た目と発音への不安が強かった方です。歯科用CTで骨量と歯ぐきの厚みを評価し、審美性と清掃性の両立を最優先に設計しました。治療中はプロビジョナル(※仮歯)を活用し、歯ぐきのラインが自然に落ち着くように段階的に整えました。最終補綴はセラミックで、周囲の歯と調和する色調・形態に仕上げました。
仮歯の段階で“見た目・発音・清掃性”を確認しながら微調整を重ねたことが、最終の自然さとメンテナンスのしやすさにつながりました。審美領域では、急がず“整える時間”を確保することが成功の鍵だとあらためて感じます。
長期の欠損で片噛みが続き、反対側の歯や筋肉に負担がかかっていたケースです。下歯槽神経の走行をCTで確認して安全域を確保し、2本のインプラントでブリッジを支持する設計としました。装着後は両側で噛めるようになり、数週間で筋肉のバランスが落ち着いてきました。
咬合(※上下の歯の接触状態)をこまめに調整し、強い点接触を避けたことが、装置の安定と患者様の“噛みやすさ”に直結しました。力の分散は、見た目以上に長期安定を左右します。

上顎洞が拡大し、骨の高さが不足していたケースです。ソケットリフト(※上顎洞底挙上術)で骨量を確保し、成熟を待ってインプラントを埋入しました。期間は延びますが、安全性と長期安定を優先した選択です。
骨造成(※不足する骨量を補う処置)は“時間を味方につける”ことが重要です。無理をせず段階を踏むことで、最終的な咬合の安定と清掃性の確保につながりました。
総義歯が合わず、食事や会話に支障が出ていた方です。骨の状態を評価し、前方部の骨を活かす形でオールオン6(※少数本のインプラントで全顎の補綴を固定するコンセプト)を選択しました。手術当日に固定式の仮歯まで装着し、社会生活を保ちながら段階的に最終補綴へ進みました。
“当日固定”は生活の質を素早く高められる一方で、清掃と定期検診の厳守が前提になります。力の分散と清掃性の両立が長期安定の鍵でした。
多かったご感想は、“画像で見える化してくれたこと”“選択肢を公平に比較できたこと”“リスクと対策を事前に共有してくれたこと”が安心につながった、というお声です。治療は医院だけで完結するものではなく、患者様と二人三脚で進めるプロジェクトだと私たちは考えています。
最初の一歩は、検査と相談です。
いきなり結論を出す必要はありません。いくつかの選択肢を並べ、それぞれのメリット・デメリット、期間や費用、ライフスタイルとの相性を一緒に検討させていただきます。
実際のケースを通してプロセスと判断を知ると、自分に置き換えたときのイメージが持てるようになります。治療のゴールは“機能と見た目の回復”だけではありません。“清掃のしやすさ”“続けられる通院”“無理のない費用と期間”といった要素がそろってはじめて、毎日の安心に結びつきます。どんな小さな疑問でも、どうぞ遠慮なくお聞かせください。
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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当院では、枚方市(長尾を中心に、津田方面・樟葉・香里園・枚方市駅付近)、新田辺市・八幡市・交野市をはじめ、
大阪全域、関西地方の患者様を中心に、専門的な治療を行っています。