
“骨が薄いのでインプラントは難しいかもしれません”と言われると、不安が一気に大きくなるものです。実際には、骨の状態に合わせて骨造成(※不足する骨量を補う処置)やサイナスリフト/ソケットリフト(※上顎洞底挙上術)を行うことで、治療の選択肢が広がるケースが少なくありません。ここでは、仕組みや期間、リスクと対策を初めての方にも伝わる言葉で解説します。
歯を失って時間が経つと、噛む刺激が骨に伝わらなくなり、体は“使われない骨”をゆっくり吸収します。入れ歯やブリッジの形態・清掃性の影響、慢性的な炎症、強い食いしばりや片噛みなどが組み合わさると、骨の高さや厚みが減ることがあります。CTで三次元的に評価することで、どの部位にどの程度の骨不足があるかを正確に把握できます。
上顎では上顎洞の位置と粘膜の状態、下顎では下歯槽神経との距離、骨の厚みや形態、血管の走行などを立体的に確認します。これにより、骨造成の適応や方法、インプラントの長さ・太さ・角度の設計が具体的になります。
GBR(※骨再生誘導法)は、骨が足りない部位に膜と骨補填材を応用して骨の再生を促す方法です。サイナスリフト/ソケットリフトは、上顎洞底を少し挙上して骨の高さを確保する手技で、適応やアプローチは骨の量と形、解剖学的条件で決まります。安全性を最優先に、段階分割して進めることもあります。
骨の成熟には時間が必要です。GBRでは数か月、サイナスリフトでは状況により半年程度待機することもあります。焦って進めるより、時間を味方につけた方が、最終的な安定と清掃性の確保につながります。
骨造成は清潔管理と術後の安静がとても重要です。感染や腫れを抑えるために、処方薬の内服、冷却、強いうがいを避けること、禁煙などをお願いしています。サイナスリフトでは上顎洞粘膜の穿孔がリスクですが、CTによる事前評価と術中の丁寧な操作で回避しやすくなります。
麻酔の効きを丁寧に確認し、必要に応じて静脈内鎮静で不安を和らげます。術後は安静を守ることで、腫れのピークを小さくできます。痛みは処方薬でコントロール可能な範囲であることが多いです。
骨造成の目的は“インプラントを入れるためだけ”ではありません。将来にわたって清掃しやすい形態を作ることもゴールです。歯ぐきと上部構造の境目に道具が届きやすい形に整えると、周囲炎のリスクが下がり、通院の負担も軽くなります。
骨の状態は人それぞれです。画像を見ながら選択肢を比較し、期間や費用、生活とのバランスを一緒に検討しましょう。無理のないステップを重ねることが、最終的な満足度と長期安定につながります。
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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